JCSSで変わる自動車産業

最近日本で注目されている品質管理の基準があります

最近日本で注目されている品質管理の基準があります。それが日本のIATFが推奨する品質管理基準です。IATFは日本で作られた政府の組織ですが International Automotive Task Forceの頭文字をとって命名されました。日本語に翻訳すればそれは国際自動車産業特別委員会ということになります。その名前が表す通り、この新しい品質管理の基準は、日本の自動車産業で生産される車の品質を高めるために特別に考案されたものです。その品質管理の基準となっているのがスイスのジュネーブに本部があるISO国際標準化機構が推奨する品質管理システムです。簡単にISO規格などと呼ばれています。日本でIATFの新しい基準を作成する時に一番問題となったのがISO規格とのライセンス問題です。同じような品質管理規格ですからISO規格との整合性が求められます。

スイスのジュネーブに本部があるISO国際標準化機構が推奨する品質管理システムであるISO規格と整合性を保つためには、ISOからライセンスを取得することが不可欠でした。そのために日本政府の肝いりで作られたのがIATFという組織です。いったいなぜ今頃そのような新しい組織を作らなければならなかったのでしょうか。それにはさまざまな理由がありますが、一つにはISO規格からライセンスを取得することが必要であったからでしょう。さらにISO規格で管理されていた従来の自動車産業で生産される車の品質を、さらに画期的に高めるために必要であったのではないかと推察されます。それにしても日本政府のIATFに向けた情熱は相当なものがあります。それだけ日本の自動車輸出産業に期待がかかっているという証でもあります。

製品の製造過程で使用される計測器については

今から半世紀前には品質管理といえば地球の裏側のアメリカで開発されたTQCトータルクオリティコントロール品質管理システムと決まっていました。TQCトータルクオリティコントロール品質管理システムには決定的な欠点がありました。工場で生産される様々な製品の品質を極限まで高めるために、時間外、時間内を問わず、社員や労働者にQC活動をさせました。その支払いが十分でなかったので、デミング賞を目指すTQCトータルクオリティコントロール品質管理システムは、あえなく日本から撤退することになりました。それに代わって彗星のように現れたのがスイスのジュネーブに本部があるISO国際標準化機構が推奨する品質管理システムです。ISO規格は品質管理の世界標準となっていますが、計測器のJCSS校正などもISO規格により管理されます。計量法によれば製品の製造過程で使用される計測器については定期的にJCSS検定を受け、それに合格しなければなりません。検定に合格すればJCSSの認定証が発行されますので、それを使用する計測器の傍に掲示しておかなければなりません。